モーターとギア

モーター

動作に必要な電源の供給方法によって、モーターは以下のように分類できます。

  • 1). DC(直流)モーター
    • 1.1). ブラシレスDCモーター
    • 1.2). ブラシDCモーター
      • 1.2.1). 永久磁石DCモーター
        • 1.2.1.1). レアアース永久磁石DCモーター
        • 1.2.1.2). DCフェライト永久磁石モーター
        • 1.2.1.3). アルミ ニッケル-コバルト永久磁石DCモーター
      • 1.2.2). 電磁DCモーター
        • 1.2.2.1). DC直巻モーター
        • 1.2.2.2). DC分巻モーター
        • 1.2.2.3). 他励DCモーター
  • 2). AC(交流)モーター
    • 2.1). 単相モーター
    • 2.2). 3相モーター

用途の違いによって、以下のように分類できます。

  • ドライブモーター : 電動工具(ドリル、やすり、研磨機、溝切り、切断機、リーマーなど)モーター、家電(洗濯機、扇風機、冷蔵庫、エアコン、テープレコーダー、ビデオレコーダー、DCD、掃除機、カメラ、ドライヤー、電動シェーバーなど)モーター、その他の小型電子機器(小型電動ツール、小型機械、医療機器、電子機器など)のモーター
  • コントロールモーター :
  • ステップモーター
  • サーボモーター

サーボモーターとは

サーボモーターとは、サーボシステム内の電子部品の動作を制御するエンジンであり、補助モーターの間接的な伝送装置を指します。サーボモーターは速度と位置を非常に正確にコントロールでき、電圧信号をトルクと速度に変換して、コントロールする物体を動かします。サーボモーターのローターの速度は入力信号によってコントロールされ、迅速な反応が得意です。自動制御システムにおいては動作の根幹となる部分に使用されます。停止状態から無負荷時の速度に達するまでの時間が短く、直線性が高いという特徴があります。サーボモーターは受信した電気信号をモーターシャフトに伝えます。角変位または角運動速度出力。サーボモーターはDCとACの二つのカテゴリーに分けられます。サーボモーターには、信号電圧がゼロの場合には回転せず、トルクが上がるに従って速度が規則的に低下するという際立った特徴があります。サーボモーターとは、サーボシステム内の電子部品の動作を制御するエンジンであり、補助モーターの間接的な伝送装置を指します。

サーボモーターの動作の仕組み

  1. サーボシステムとは、入力対象(または値)の変化に伴って、位置、方向、物体の状態などの出力コントロールを可能にする自動制御システムです。サーボの位置調整は主にパルスに依存します。サーボモーターが1パルスを受信すると、そのパルスに対応する回転角度に回転し、変位すると考えることができます。サーボモーター自体にパルスを出力する機能があるため、サーボモーターが回転するたび、サーボモーターで受信したパルスに対応する数のパルスが出力されます。これをクローズループと言います。これにより、サーボモーターに送信されたパルスの数と、同時に受信されたパルスの数をシステムが把握します。このため、モーターの回転が正確にコントロールされ、0.001 mm単位の精密な位置調整が可能になります。DCサーボモーターはブラシモーターとブラシレスモーターに分けられます。ブラシモーターは低コストで構造が単純で、大きなスタート時トルクが必要です。速度制限範囲が広く、コントロールが簡単で、メンテナンスも必要ですが、メンテナンスはカーボンブラシを交換するなど不便さがあります。電磁干渉を発生させ、使用する環境にも制限があります。このため、ブラシモーターはコスト重視の標準的な産業用途に使用されます。ブラシレスモーターは小型で軽量、出力が大きく、反応が迅速です。高速度で、慣性が小さく、回転がなめらかで安定したトルクが特徴です。コントロールは複雑で、インテリジェント化が簡単です。電気整流モードがフレキシブルで、矩形波とサイン波のどちらでもコントロールできます。メンテナンスが必要なく、高効率で動作温度が低く、電磁放射が少なく長寿命で、様々な環境で使用できます。

  2. ACサーボモーターはブラシレスモーターでもあり、同期性モーターと非同期性モーターに分けられます。同期性モーターは一般的に動きのコントロールに使われます。パワーレンジが広く、大きなパワーの出力が可能です。慣性も大きく、最大回転速度が低く、パワーが増加するごとに速度が急速に落ちる特徴があります。このため、低速でなめらかな回転が必要な用途に適しています。

  3. サーボモーター内部のローターは永久磁石です。ドライバによるU/V/Wの3相電気制御が電磁フィールドを作り出します。ローターはこの電磁フィールドのはたらきによって回転します。同時に、モーターに付属するエンコーダが信号をドライバにフィードバックし、ドライバがフィードバック値にもとづいて対象の値を比較して、ローターの回転を調節します。サーボモーターの精度はエンコーダの精度(本数)で決まります。ACサーボモーターとブラシレスDCモーターの違いは機能にあります。ACサーボモーターはサイン波でコントロールされるためブラシレスDCモーターよりも優れており、トルクリップルが小さい特徴があります。DCサーボモーターは矩形波でコントロールされます。DCサーボモーターはACサーボモータよりも単純で安価です。

サーボモーターの特徴による比較

DCブラシレスサーボモーターには、慣性の小ささやスタート時電圧の低さ、無負荷時電流の小ささなどの特徴があります。接触整流システムがないため、モーターの速度を大幅に上げることができ、最大速度は100,000 rpmにも達します。ブラシレスサーボモーターはサーボの制御にエンコーダが必要ないため、速度、位置、トルクなどの制御が可能です。速度の速さに加えて、長寿命で低ノイズ、電磁干渉がないという特徴もあります。DCブラシサーボモーターの特徴には以下のようなものがあります。

  1. 小型、動きや反応が迅速、高負荷動作が可能、速度制御の範囲が広い

  2. 低速時で低トルク、変動が小さく安定した動作
  3. 低ノイズ、高効率
  4. バックエンドエンコーダフィードバック(オプション)によりDCサーボなどの優れた点を持つ
  5. トランスフォーマレンジが広く、周波数の調整が可能

通常のモーターと比較してサーボモーターが優れている点

  1. 精度 : 位置、速度、トルクのクローズループコントロールが可能。ステップモーターの問題であるステップ外(Out-of-Step)現象の発生を克服できる。
  2. 速度 : 高速度での動作に優れており、標準速度は2000〜3000 rpmにも達する。
  3. 互換性 : 過負荷防止に優れ、標準トルクの3倍の負荷にも耐える。瞬間的な負荷変動が発生する用途や、立ち上がりの速さが求められる用途に適している。
  4. 安定性 : 低速度での動作が安定しており、ステップモーターのステッピング動作に似た挙動が起こらないため、高速度での反応が必要な用途に適している。
  5. 迅速性 : モーターの加速や減速に必要なダイナミック反応時間が短い。標準で1/10ミリ秒以下。
  6. 扱いやすさ : 熱とノイズの発生が非常に少ない。通常のモーターは電源オフ後も慣性によりしばらく回転し続けるが、サーボモーターとステップモーターはストップ命令やスタート命令を受けるとすぐにストップ/スタートすることができるなど、反応が非常に速い。しかしステップモーターにはステップ外現象の発生という問題もある。

サーボモーターの用途例

サーボモーターには非常に多くの用途があります。電源があり精度が必要な場合、一般的にはサーボモーターが使用されます。工具、プリンター、包装用機械、紡績機械、レーザー機器、ロボット、自動化された生産ラインや、比較的高精度で高効率、安定した動作が必要な用途などです。


出典 : Elephant Robotics資料 Motor & Steering Gear

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