1. Raspberry Pi 400のはじめ方

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図1-16 : Raspberry Pi 400にはキーボードがついています

Raspberry Pi 400

Raspberry Pi 400は、Raspberry Pi 4のすべてをキーボードの中におさめた製品です。大事なRaspberry Piを守るだけでなく、ケーブルもすっきりして、デスクの上で場所を取りません。 Raspberry Pi 400のコアはRaspberry Pi 4と同じものを使っています。*システムオンチップ(SOC)とメモリも一緒です。外からは見えませんが、ちゃんと中身が入ってるんですよ!外から見えるのは、まずキーボード(図1-16)。右上の角には三つのLEDがついています。ひとつ目のLEDはNum Lockキーを押すと光ります。Num Lockキーは、フルサイズキーボードの一部のキーを数字キーとして使いたいときに使います。真ん中のLEDはCaps Lockキーを押したときに光ります。Caps Lockキーは、全部大文字で入力したいときに使います。三つ目のLEDはRaspberry Pi 400の電源が入っているときに光ります。

*システムオンチップ(SOC) : 特定の目的のために、マイコンと周辺回路のシステムをチップの上にひとつにまとめたもの。

後ろ側(図1-17)にはポートがあります。一番左側のフタをはずしたところにあるのは多目的入出力(General-Purpose Input/Output : GPIO)ヘッダです。Raspberry Piが他のデバイスと通信するときに使います。例えばLEDやボタン、温度センサ、ジョイスティック、心電図モニタなどなど。最初のピン(Pin 1)は右上に、最後のピン(Pin 40)は左下にあります。

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図1-17 : Raspberry Pi 400の後ろ側にはポートがあります

GPIOヘッダの横にあるのはmicro SDカードスロットです。micro SDカードは、Raspberry Pi 400のOSやアプリケーション、データなどを保存する記憶容量として使います。キット版では、カードはRaspberry Pi 400に最初から一緒に入っています。取り出すには、カチッと手ごたえがあるまでカードをやさしく押し込んでください。カードが飛び出してきたら引き抜きます。カードをもとどおり差し込むときは、金色のコネクタ面が下を向くようにしてください。向きがあっていれば、カチッという手ごたえとともに差し込まれます。

その次のふたつのポートは、モニタやテレビなどと接続できるmicro-HDMIポートです。Raspberry Pi 400はRaspberry Pi 4と同じく、デュアルディスプレイ表示に対応しています。その次にあるのはUSB Type-C電源ポート。ACアダプターやUSB電源への接続に使います。

ふたつの青いポートはUSB 3.0ポートです。SSDやメモリースティック、プリンターなどとの高速データ通信に使います。その右にある白いポートは、それより通信速度の遅いUSB 2.0ポートです。セットに一緒に入っているRaspberry Piマウスもここにつなぐことができます。

最後のポートはGigabit Ethernetポート。Raspberry Pi 400をお使いのネットワークに接続するのに使います。本体についているWi-Fiでワイヤレス接続もできますが、ネットワークケーブルで有線接続したいときにはこのポートを使います。ネットワーク接続の仕方について詳しくは「2. Raspberry Piを使ってみよう」をお読みください。

Raspberry Pi 400のセットアップ

Raspberry Pi 400にはキーボードがついています。キット版をお使いならmicro SDカードも最初から差し込まれています。何本かケーブルをつなげたりしないといけませんが、すぐに使い始めることができます。 IMG_9252 copy

マウスをつなげる

Raspberry Pi 400にはキーボードがつながっているので、あとはマウスをつなげるだけです。マウスのしっぽについているUSBコネクタを持って、本体の後ろに三つあるUSBポート(2.0でも3.0でもどちらでも大丈夫です)のどれかに差し込んでください。通信速度が速いUSB 3.0ポートに他のデバイスをつなげたい場合は、マウスは白いポートにつなげてください。
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あまり力を入れなくてもはまるはずです。力いっぱい差し込まないといけないなら、何か間違えているのかもしれません。USBコネクタの向きが正しいか確認してみてください。

ディスプレイをつなぐ

micro-HDMIケーブルを取り出して、小さいほうのコネクタをmicro-HDMIポートに差し込んでください。ポートは本体の後ろのmicro SDカードスロットの隣についています。ケーブルのもう一方のコネクタは、お使いのディスプレイにつないでください。ディスプレイにふたつ以上HDMIポートがついている場合は、コネクタのすぐ横に書いてあるポート番号を確認してください。Raspberry Piの画面を見るのにテレビの入力を切り替えないといけないかもしれませんから。ポート番号がみつからなくても大丈夫。Raspberry Piの画面が表示されるまで、入力を切り替えてみてください。 Screen Shot 2021-10-06 at 12 18 33

ネットワークケーブルをつなぐ(必要な場合)

有線のネットワークにRaspberry Piをつなぎたいときは、Ethernetケーブルというネットワークケーブルを使います。ケーブルの端のプラスチックのクリップが上を向くように、本体のEthernetポートに差し込んでください。しっかり差し込まれたらカチッと音がします。ケーブルを抜くときはクリップをぎゅっと押しながらやさしく抜いてください。
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ケーブルのもう一方の端は、ルーターなどの空いているポートに同じように差し込みます。

電源につなぐ

ハードウェアのセットアップの最後に、いよいよRaspberry Pi 400をACアダプタにつなぎます。つなぐのはソフトウェアのセットアップをする準備ができてからにしてください。Raspberry Pi 400には電源スイッチがないので、電源がつながるとすぐに起動してしまうんです。まず、ACアダプタのUSB Type-Cコネクタを本体のUSB Type-C電源コネクタにつなぎます。コネクタは上向きでも下向きでも大丈夫です。ACアダプタのケーブルが取り外せるタイプなら、ケーブルのもう一方の端がACアダプタにきちんとつながっているか確認してください。
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ACアダプタをコンセントにつないだら、すぐにRaspberry Pi 400が起動するはずです。これでハードウェアのセットアップができました!

しばらくすると、黒い画面の上のほうにRaspberry Piのロゴが表示されます。その後、microSDカードの中のソフトウェアが準備をする間、ブルーの画面が出てくるはずです。黒い画面が表示されたら何分か待ってみてください。初めてRaspberry Piが起動するときには、中で片付けをしているので少しだけ時間がかかるんです。しばらくするとRaspberry Pi OSのデスクトップとセットアップウィザードが表示されます(図2-2)。これでOSの設定の準備ができました。設定の方法は「2. Raspberry Piを使ってみよう」でご説明します。

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図2-2 : Raspberry Pi OSのデスクトップとセットアップウィザード

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