2. Raspberry Piを使ってみよう : OSについて

Raspberry Piは色々な種類のソフトウェアを動かすことができます。OSもたくさんある中から選べます。OSとは、コンピュータを動かすための一番大切なソフトウェアのことです。一番たくさん使われているのはRaspberry Pi財団が作った公式OS「Raspberry Pi OS」です。Debian LinuxをベースにしてRaspberry Piにぴったりに作られました。OSと一緒に入っているソフトウェアも色々なものがあるので、すぐに使い始めることができます。 Microsoft WindowsやApple macOSしか使ったことがなくても大丈夫。Raspberry Pi OSはウインドウもアイコンもメニューも、ポインター(WIMP)だって同じように動くので、すぐに慣れてしまうはずです。このページではOSについて学ぶお手伝いをします。一緒に入っているソフトウェアの紹介もしていきます。

ウェルカムウィザード

Raspberry Pi OSを初めて立ち上げるとウェルカムウィザードが表示されます(図3-1)。どこでどんな風にRaspberry Piを使いたいのかに合わせて、OSの設定(コンフィグといいます)を変えるのに便利なツールです。

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図3-1 : ウェルカムウィザード

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「次へ」ボタンを押して、住んでいる国と言語、タイムゾーンをドロップダウンメニューから選んでください(図3-2)。日本語版のキーボードをお使いなら、正しいキーボードレイアウトが選択されていることを確認してチェックボックスをクリックしてください。デスクトップとプログラムを日本語で表示したい場合は、住んでいる国で使われている言語に関係なく、「日本語を使用する」のチェックボックスにチェックを入れてください。終わったら「次へ」をクリックします。

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図3-2 : オプションの中から言語を選びます

次の画面では、「pi」というユーザーのパスワードを変更します(デフォルトでは「raspberry」になっています)。Raspberry Piを安全に使うために、パスワードは自分で新しいものにすることをおすすめします。ボックスにパスワードを入れてください(図3-3)。これで決定と思ったら「次へ」をクリックします。

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図3-3 : パスワードの設定

その次の画面では、画面のフチに黒い枠が表示されているかどうか確認します(図3-4)。Raspberry Piのデスクトップがテレビやモニターの画面のサイズと合っている場合は、チェックは外れたままにします。もしデスクトップがテレビやモニターの画面サイズより小さくて、まわりに黒い枠が表示されているなら、ボックスをチェックしてください。OKなら「次へ」をクリックします。

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図3-4 : 黒い枠が表示されていないことを確認します

次の画面では、お使いのWi-Fiネットワークをリストから選択します。マウスやキーボードでネットワークのリストをスクロールして、接続したいネットワークの名前を探します。みつかったらクリックして、さらに「次へ」をクリックします。お使いのネットワークが安全なのを確認したら(大事です)パスワード(プリシェアドキーともいいます)を入力します。

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パスワードはルーターに付属しているカードや、ルーターの裏側に書かれていることが多いです。ネットワークに接続するには「次へ」をクリックします。ワイヤレスネットワークに接続しない場合は「スキップ」をクリックします。

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図3-5 : ワイヤレスネットワークの選択

次の画面では、Raspberry Pi OSやソフトウェアのアップデートがないかどうか確認して、必要ならインストールします(図3-6)。バグの修正や新しい機能の追加、パフォーマンスの改善などのために、Raspberry Pi OSは定期的にアップデートをしています。アップデートのインストールをするには「次へ」を、必要なければ「スキップ」をクリックします。ダウンロードには数分かかります。アップデートのインストールが終わったら、ウィンドウに「システムは最新です」と表示されます。「OK」をクリックしてください。

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図3-6 : アップデートのチェック

ウェルカムウィザードの最後の画面ですることはほんの少しだけです。変更した設定はRaspberry Piを再起動(リブートともいいます)しないと適用されません。再起動するなら「再起動」ボタンをクリックします。今度はウェルカムウィザードは表示されません。ウェルカムウィザードの役目は終わって、Raspberry Piが使える状態になったからです。

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図3-7 : Raspberry Piの再起動

デスクトップの仕組み

ほとんどのRaspberry Piの基板にインストールされているRaspberry Pi OSのバージョンは「Raspberry Pi OS with desktop」といいます。グラフィカルユーザーインターフェースが使われているからです(図3-8)。デスクトップのほとんどには画像(壁紙といいます)が表示されています(図3-8のA)。使っているプログラムはその上に表示されます。デスクトップの一番上にあるのはタスクバーです(B)。タスクバーはプログラムそれぞれを実際にロードするのに使います。プログラムはタスクバーの上にタスク(C)として表示されています。

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図3-8 : Raspberry Pi OSのデスクトップ

A 壁紙
B タスクバー
C タスク
D システムトレイ
E メディアの取り出し
F Bluetoothアイコン
G ネットワークアイコン
H 音量アイコン
I 時計
J ローンチャー
K メニュー(またはRaspberry)アイコン
L ゴミ箱アイコン
M 外付けドライブアイコン
N ウィンドウのタイトルバー
O 最小化
P 最大化
Q 閉じる

メニューバーの右にはシステムトレイ(D)があります。USBメモリースティックなどの外付けの記憶容量がつながっている場合には、取り出しアイコンが表示されます(E)。アイコンをクリックすると安全に取り外すことができます。右の端にあるのは時計(I)です。クリックするとカレンダーが表示されます(図3-9)。

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図3-9 : カレンダー

その隣にあるのはスピーカーアイコンです(H)。マウスの左ボタンでクリックするとRaspberry Piの音量を変えることができます。右ボタンでクリックすると音声出力を変えられます。その隣にはネットワークアイコン(G)があります。ワイヤレスネットワークにつながっている場合、電波の強さがバーの数で表示されています。有線のネットワークにつながっている場合は2本の矢印マークになっています。ネットワークアイコンをクリックすると、近くを飛んでいるネットワークのリストが表示されます(図3-10)。隣のBluetoothアイコン(F)をクリックすると、近くにあるBluetoothデバイスに接続します。

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図3-10 : 近くのワイヤレスネットワークのリスト

メニューバーの左にあるのはローンチャー(J)です。Raspberry Pi OSの他にインストールされているプログラムを確認することができます。一部のプログラムはショートカットアイコンのかたちで表示されていることがあります。メニューからは見えないものもあるかもしれません。メニューで見えないプログラムは、右端にあるRaspberryアイコン(K)をクリックすると表示されます(図3-11)。

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図3-11 : Raspberry Pi OSのメニュー

メニュー内のプログラムはカテゴリーごとに分けられています。カテゴリーの名前を見れば何に使うものなのかが分かります。例えば「プログラミング」カテゴリーには、自分でプログラムを書くのに便利なソフトウェアが入っています。時間を忘れてゲームしたいなら「ゲーム」カテゴリーを開いてみてください。このガイドでは全部を紹介することはできませんが、自分で色々なプログラムを探してみると楽しいですよ!

Chromiumブラウザ

Raspberry Piの使い方を練習するのに、最初にChromiumブラウザを開いてみましょう。画面左上のRaspberryアイコンをクリックしてメニューを開き、マウスのポインタを「インターネット」カテゴリーに合わせてください。クリックするとChromiumブラウザが開きます(図3-12)。

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図3-12 : Chromiumブラウザ

他のコンピューターでGoogleのChromeブラウザを使ったことがあるなら、Chromiumにはとっつきやすいかもしれません。Chromiumウェブブラウザを使うと、ウェブサイトを見たりビデオを再生したり、ゲームで遊んだり、世界中のたくさんの人と掲示板やチャットで話したりもできます。

まずChromiumのウインドウを最大化して、画面にもっと大きく表示されるようにしてみましょう。Chromiumウインドウのタイトルバー(N)の右上にある三つのボタンを探してください。真ん中のボタン(P : 上向きの矢印)をクリックしてください。それが最大化ボタンです。ウインドウを画面いっぱいに表示するのに使います。最大化ボタンの左にあるのは最小化ボタン(O)です。画面の一番上にあるタスクバーをクリックするまでウインドウを隠しておくのに使います。最大化ボタンの右側にあるのは閉じるボタン(Q)。ウインドウを閉じるのに使います。

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Chromiumウインドウの一番上にあるアドレスバー(左側に虫眼鏡マークのある大きな白いバー)をクリックして、www.raspberrypi.orgとタイプしてみてください。それからキーボードのENTERキーを押します。Raspberry Piのウェブサイトが表示されます(図3-13)。アドレスバーからは検索することもできます。「Raspberry Pi」、「Raspberry Pi OS」など検索してみてください。

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図3-13 : ChromiumでRaspberry Piのウェブサイトを表示したところ

Chromiumを初めて開いたとき、ウインドウの一番上にいくつかタブが表示されたかもしれません。別のタブに切り替えるときはタブをクリックします。Chromiumを閉じないでタブを閉じたいときは、閉じたいタブの左端にあるバツマークをクリックしてください。新しいタブを開きたいときは、リストの一番後ろのタブの右側にあるタブボタンをクリックするか、キーボードのCTRLキーを押しながらTキーを押してください。色々なウェブサイトを見たいときにChromiumのウインドウをたくさん開くと画面がごちゃごちゃしてしまいますが、タブを使うとひとつのウインドウで見ることができます。 Chromiumを使い終わったら、ウインドウ右上の閉じるボタンをクリックします。

ファイルマネージャー

保存したファイル(プログラム、ビデオ、画像など)は全部、ホームディレクトリに入っています。ホームディレクトリを見るには、Raspberryアイコンをクリックしてメニューを開き、マウスのポインタを「アクセサリ」に合わせてクリックします。するとファイルマネージャーが開きます(図3-14)。

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図3-14 : ファイルマネージャー

ファイルマネージャーでは、Raspberry PiのmicroSDカードに入っているファイルやフォルダ(ディレクトリともいいます)を見ることができます。Raspberry PiのUSBポートにつながっているUSBフラッシュメモリなどの外付け記憶デバイスの中身も見られます。ファイルマネージャーを初めて開くとホームディレクトリが表示されます。この中にはいくつか他のフォルダ(サブディレクトリともいいます)があるはずです。サブディレクトリはメニューと同じようにカテゴリーで分けられています。主なサブディレクトリには次のようなものがあります。

本棚 : デジタルの本や雑誌、Raspberry Pi出版の書類(このビギナーズガイドもそうです)が入っています。本棚アプリケーションを使うと、本を読んだり他の本をダウンロードしたりできます。詳しくはメニューのヘルプをお読みください。

デスクトップ : Raspberry Pi OSを初めて起動したときに表示されたフォルダです。このフォルダの中に保存したファイルはデスクトップに表示されるので、かんたんに探したり開いたりできます。

書類 : 作ったほとんどファイルはこの中に保存されます。小説だってレシピだって保存できますよ!

ダウンロード : Chromiumブラウザでインターネットからダウンロードしたファイルは自動的にここに保存されます。

音楽 : Raspberry Piで作ったり保存した音楽はみんなここに保存されます。

画像 : 画像を保存するのに使うフォルダです。画像は「画像ファイル」ともいいます。

共有 : ほとんどのファイルはあなた以外には見られませんが、共有フォルダの中に入れたものは他のRaspberry Piユーザーにも見えるようになります。他の人がそれぞれ自分のユーザーネームとパスワードを持っていても見られます。

テンプレート : テンプレートはこのフォルダに保存されています。テンプレートとは、基本的なレイアウトなどがもう用意してある書類のことです。テンプレートは自分で作ったり、アプリケーションにインストールされていたりします。

ビデオ : ビデオ用のフォルダです。ビデオを観るためのプログラムが、ビデオがないかどうか最初に探すフォルダです。

ファイルマネージャーウインドウは二つのパネルに分かれています。左のパネルはRaspberry Piの中にあるディレクトリを表示します。右のパネルに表示されるのは、左のパネルで選択したディレクトリの中のファイルやサブディレクトリです。Raspberry PiのUSBポートに外付けの記憶デバイスをつないでいる場合には、ファイルマネージャーで開くかどうかを確認するウインドウ(図3-15)が出てきます。OKをクリックすると中身のファイルやディレクトリが見られます。

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図3-15 : 外付けデバイスをつないだところ

Raspberry PiのmicroSDカードと外付けデバイスの間でファイルをコピーするのもかんたんです。ホームディレクトリと外付けデバイスを別々のファイルマネージャーウインドウで開いて、マウスのポインタをコピーしたいファイルのところに持ってきます。クリックしたらマウスの左ボタンを押したまま、ポインタをコピーしたい先のウインドウまで引っぱって行ってください。それからマウスのボタンを離します(図3-16)。これをドラッグ&ドロップといいます。
別のコピーの仕方もあります。ファイルを1回クリックして、「編集」メニューをクリック、それから「コピー」をクリックします。そのあとコピー先のウインドウをクリックしたら、「編集」メニューをクリックして「ペースト」をクリックします。
「編集」メニューの中にある「カット」も同じように使いますが、コピーしたあとにもとのファイルを削除するときに使います。どちらの機能もキーボードショートカットのCTRL+C(コピー)やCTRL+X(カット)、CTRL+V(ペースト)でも使えます。

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図3-16 : ファイルのドラッグ&ドロップ

終わったらウインドウ左上の閉じるボタンを押してファイルマネージャーを閉じます。ウインドウが二つ以上開いている場合には全部を閉じます。Raspberry Piに外付けデバイスがつながっている場合は、デバイスのプラグを外す前に画面右上の取り出しボタンをクリックして、リストの中からデバイスを探してクリックします。

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Raspberry Piコンフィグツール

Raspberry Piコンフィグツールは、Raspberry Pi OSの色々な設定を変更するときに使います。Raspberryアイコンをクリックして、マウスのポインタを「環境設定」カテゴリーに合わせます。Raspberry Piコンフィグツールをクリックして開きます(図3-21)。

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図3-21 : Raspberry Piコンフィグツール

画面は5つのタブに分かれています。ひとつめのタブは「システム」です。ここでは自分のアカウントのパスワードを変更したり、ホストネーム(Raspberry Piがローカルネットワークや有線ネットワーク上で使う名前)を設定したり、その他色々な設定の変更ができます。ほとんどの設定は変更しなくても大丈夫。ディスプレイタブをクリックすると次のカテゴリーが開きます。ここでは、お使いのテレビやモニタに合うように画面の設定を変えることができます。

タブインターフェースには色々な設定が表示されています。ほとんどの設定は最初は「無効」に設定されています。Raspberry Piカメラモジュールなど新しいハードウェアを追加するとき、ハードウェアのメーカーから設定の変更について指示があったときだけ変更するようにしてください。
「言語」タブでは、Raspberry Pi OSで使う言語や、数字の表示の仕方、タイムゾーンやキーボードレイアウトの変更、Wi-FIを使うときに必要な国の設定などができます。今はひとまず何も変更せず、キャンセルを押してツールを閉じてください。

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シャットダウン

最後にとても大事なスキルを勉強します。Raspberry Piを安全にシャットダウンする方法です。他のコンピューターと同じように、Raspberry Piは使っているファイルを揮発性メモリの中に保存しています。揮発性メモリとは、システムのスイッチが切れると中身が消されてしまうメモリのことです。作業中のファイルは忘れないように順番に保存していけば大丈夫。揮発性メモリからmicroSDカード(非揮発性メモリ)にデータが移ります。
開いているファイルは作業中のファイルだけではありません。Raspberry Pi OSは起動中にたくさんのファイルを開いているので、突然電源ケーブルを抜いてしまうとOSが壊れて再インストールしなければならなくなるかもしれません。
そんなことが起きないように、Raspberry Pi OSがきちんと全部のファイルを保存して、電源を切る準備ができるようにします。これをOSのシャットダウンといいます。

デスクトップ左上のRaspberryアイコンをクリックして、「シャットダウン」をクリックします。「シャットダウン」、「再起動」、「ログアウト」の三つの選択肢があるウインドウが開くはずです(図3-22)。一番よく使うのは「シャットダウン」です。これをクリックするとRaspberry Pi OSが開いている全てのソフトウェアやファイルを閉じて、Raspberry Piをシャットダウンします。画面が暗くなったら本体の緑のライトが点滅しなくなるまで何分か待ってください。点滅しなくなったらACアダプターを抜いても大丈夫です。
Raspberry Piをオンにするには、電源ケーブルを一度抜いてからもう一度差し込むか、コンセントのスイッチをオンにするだけです。

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図3-22 : Raspberry Piのシャットダウン

「再起動」もシャットダウンと同じように開いているものを全部閉じますが、電源を切る代わりにRaspberry Piを再起動するときに使います。シャットダウンを選んだときと同じように電源ケーブルを抜いて、もう一度差し込んでください。設定の変更をしたあとなど、OSの再起動が必要なときに「再起動」を選んでください。例えばOSのコアになる大事なソフトウェアのアップデートをインストールしたとか、ソフトウェアのどれかがおかしくなって(クラッシュといいます)Raspberry Pi OSが使えなくなってしまったときなどです。
「ログアウト」は、Raspberry Pi上にふたつ以上のユーザーアカウントがあるときに使います。開いているプログラムを全部閉じて、ユーザーネームとパスワードを入力するログイン画面に戻ります。間違ってログアウトを押してしまったけれど、もとの画面に戻りたいときには、ユーザーネームに「pi」、パスワードにさっきウェルカムウィザードで設定したパスワードを入れてください。

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